ホワイトニング

Whitening

歯のホワイトニング

歯の着色の原因は?

歯の着色の原因
歯の着色の原因について説明します。

歯が白く見えなくなる原因として、歯に付着する着色物質による影響と、歯の内部構造(象牙質)の影響があります。

ひとつは、日常摂取する食べ物や飲みもの(お茶・コーヒーなどに含まれるタンニンなど)に含まれる色の着いた成分が、歯の表面に付着していきます。
これらは「ステイン」と呼ばれる、歯の着色物質です。

ステインも歯の表面にだけ付着している「外部ステイン」と、エナメル質できたマイクロクラック(ひび)を通して内部に沈着した「内部ステイン」があります。

外部ステインの一部は、市販の歯みがきペーストで除去できますが、内部のステインには届きません。

もうひとつは、歯の内部構造の影響です。

加齢とともに、歯の表面部分のエナメル質が減っていき、内部の象牙質という構造の黄色い色が強く現れていくようになるのが原因です。
もともと象牙質はエナメル質に比べ少し黄色味を帯びた色調を持っています。これが透けてしまうのです。

 

ホワイトニングってなに?

ホワイトニングのメカニズム
過酸化水素や過酸化尿素を用いてステインの分解をします。

 

ホワイトニングは薬剤を使用し、歯の表面のステイン(着色)を分解するだけでなく、エナメル質の内部の色素も分解し、歯そのものの色を白くする効果があります。
ホワイトニングに用いられる薬剤は、主に過酸化水素または過酸化尿素が用いられています。これらの薬剤を歯に塗布することで、ステインを分解することができます。
また加齢による着色の場合でも、ホワイトニング剤によってエナメル質表層の構造が変化し、すりガラスのように光を乱反射するため、白い歯に見えるようになります。

 

 

・歯の着色の原因は

 ①”ステイン”(着色物質)歯の外部と内部に付着
 ②エナメル質の磨耗

・歯を白くする仕組み

→「ホワイトニング」によって外部・内部のステインを分解。エナメル質表層の構造を変化して、光の反射によって白く見せる。

 

ホワイトニングできない場合はある?

ホワイニングの薬剤が使用できない場合

ホワイトニングでは、過酸化水素や過酸化尿素といった薬剤を使用します。
これらの薬を安全に使用できない場合にはホワイトニングができません。

・妊娠中や授乳中の方

薬剤の安全性の確認ができていないためです。

・薬剤やラテックスにアレルギーのある方

使用する薬剤や器具にアレルギーがある場合は使用できません。

・無カタラーゼ症の方

カタラーゼは身体に存在する酵素の一つです。
唾液や血液内にも存在し、過酸化水素を分解する触媒としての作用があります。
生まれつきこの酵素を持たない方は、薬剤の分解ができない可能性があるため使用出ません。
怪我をした時に、オキシフルなどの薬を塗って発泡するのは、この酵素の作用です。そういう経験がある方は大丈夫です。

・重度な知覚過敏症を有する方

ホワイトニングに使用する薬剤は、一時的に知覚過敏を増悪させます。お薬の使用を止めれば24時間以内に症状は治まりますが、継続的なホワイトニングが難しい場合があります。
永久歯が生え揃っていれば、年齢制限はありません。
ほとんどの方に適用可能です。

ホワイトニングの効果が期待できない場合

ホワイトニング(ホームホワイトニングやオフィスホワイトニング)では効果が期待できず、歯を白くするためには別の方法をおすすめすることがあります。

・詰め物やかぶせの治療を行った歯

ホワイトニングはエナメル質の表層に作用するため、レジン(プラスチック)や金属といった材料には効果が出ません。
歯の一部のレジン(プラスチック)で詰め物をしている場合は、その部分だけ色調が変わりませんので、ホワイトニング後に改めて色調のあったレジン充填処置をおすすめします。

・神経のない歯(失活歯)

むし歯などが原因で、歯の神経(歯髄)の処置を行い、神経がない歯のことを失活歯と言います。
失活歯は黒ずんだ色を呈していることが多いのですが、これは歯の内部に血液内の鉄分等が沈着しているのが原因です。つまり、ホワイトニングのように外側からの薬剤の適応で、変色を治すことはできません。
通常、失活歯はクラウン(かぶせ)で修復するので、セラミック系のクラウンでの修復治療をおすすめします。
また歯の内部へ過酸化水素ペーストを入れて、内部から漂白するウォーキングブリーチ(Walking Bleech)を行います。

・生まれつきの着色歯

歯の形成不全(エナメル質形成不全)の場合で、エナメル質を大きく欠如している歯は、クラウンやラミネートベニアを用いた修復治療をおすすめします。
一部の帯状に形成不全がある場合もコンポジットレジンやラミネートベニア修復をおすすめすることがあります。
テトラサイクリンによる変色歯については、軽度の場合はホワイトニングによって色調の改善が可能な場合があります。象牙質への色素沈着を原因としていますので、効果が望めない場合は、修復治療をおすすめすることもあります。

・むし歯や歯周病が進行している歯

歯に汚れやむし歯があると、ホワイトニングの薬剤の効果が低減してしまいます。
まずは歯の治療から行って行きましょう。
神経をとったり、クラウンなど大きく修復していない歯であればホワイトニングは可能です。

ホワイトニングの種類

ホワイトニング方法には、歯科医院で施術する「オフィスホワイトニング」、自宅で行なう「ホームホワイトニング」などがあります。

・「オフィスホワイトニング」は、歯科医院で施術するタイプのホワイトニングです。
一般的にはホームホワイトニングに比べ、反応の早い高濃度の過酸化水素を使用するため、1回30分程度で施術が可能です。希望の白さまでには数回の来院が必要です。
急いでホワイトニングしたい方には良いかもしれませんが、ゆっくり時間をかけるホームホワイトニングに比べ、色調が元に戻りやすい欠点もあります。

・「ホームホワイトニング」は、自宅で患者さん自身によって行なうタイプのホワイトニングです。過酸化水素よりも反応がゆっくりな過酸化尿素をを使用します。薬剤を入れた専用のトレーを歯に装着して、就寝中(6~8時間)を1回として、15回程度繰り返し使用します。期間としては2週間~4週間が一般的です。

ご自宅で繰り返しホワイトニングできるので、希望の歯の色調へコントロールしやすいことや、ホワイトニング効果の持続期間が長い(一般的にホームホワイトニング:約1年、オフィスホワイトニング:3~6ヶ月)ことが特徴です。

ホームホワイトニングとは?

しおさい歯科クリニックでは、ホームホワイトニングをオススメしています。

・ホームホワイトニングの手順

ホームホワイトニングの手順
専用のマウスピースを使用したホワイトニングです。

「ホームホワイトニング」は歯科医院によって使用するシステムの違いがあり、マウスピースの装着時間や期間が異なってきます。施術を担当する歯科医師・歯科衛生士に確認しましょう。

当院のシステムの場合、就寝時に6〜8時間のマウスピース装着を約15回していただくこようにご説明しています。

ホワイトニングの効果判定を、来院時に行います。

「使用時間」✖️「薬剤濃度」✖️「使用回数」によって、ホワイトニングの効果が異なります。
毎日、マウスピースを入れられない場合は期間は長くなりますが、必要回数をやっていただければ効果は一緒です。
また、より早く、高い効果を望まれる場合には薬剤濃度を高くします。
知覚過敏の症状がでる場合は、薬剤濃度を下げたり、一日おきの使用にしてもらったりといった調整を行ないます。また、ホームホワイトニング期間は、色の強い食べ物や飲み物(カレーやコーヒーなど)の摂取は控えて頂いくこともあります。
ホワイトニングが終わったら、食べてもらってかまいません。
ホワイトニングの期間
薬剤の濃度や使用回数、一日の着用時間で期間が変わります。

・どのくらいの効果がでるのか

歯の色調(シェード)の見本です。
日本人では#15 が平均的と考えられています。
ホワイトニングシェード
ホワイトニングシェード(色調見本)で確認しながら進めます。

 

一つの目安として、8シェード(写真でいうと4つ分)くらいの明るさになるのが目安です。

ホワイトニングの効果は、もともとの歯の色調以外に、歯の表面性状(ツルツルやざらざら)にも影響されます。

ホワイトニング症例写真
ホワイトニングを10回、20回行ったケースです。この方の場合#13から#1まで明るい色調に改善しました。

 

・ホワイトニングの効果はどのくらい続くの?


一般的にはホームホワイトニングでは約1年ほど効果が続くとされますが、個人差はあります。
ステインの原因は飲食や喫煙にありますし、ハミガキの状態によって持続期間は変わってきます。

効果を持続させるのに有効なのは、

①ステインの原因となる喫煙などをやめること
②定期的に歯科医院でクリーニングを行うこと
③ホワイトニング効果を持続させる歯みがきペーストを使うこと
④タッチアップホワイトニングを行うこと


タッチアップホワイトニングとは、最初のホワイトニングからしばらく経って色調が変わってしまった場合、2〜3回再びホワイトニングを行う方法です。一度ホワイトニングをしているので、比較的簡単に白さを戻すことができます。

ホワイトニングをおすすめする理由

歯と健康に関心を持って欲しい

もし歯や口元にコンプレックスを抱えていたら、ホワイトニングをした白いきれいな歯は、自分に自信をもたせてくれます。

そして、きれいになった歯を大切にする気持ちも生まれると思います。ホワイトニングを行うことが、タバコをやめる動機になった方もいます。

毎日の歯のセルフケアのために何が大切なのか、興味をもつきっかけになった方もいます。

むし歯や歯周病の怖さを知って予防に取り組むのも、もちろん大切ですが
ホワイトニングをきっかけに楽しく、健康や予防に関心を持っていくほうが
より長く健康を維持するモチベーションになるのではと考えています。

 

 *使用薬剤についての注意事項(しおさい歯科クリニック)

opalescenceULTRADENT社(米国)Opalesence10%は、日本国内承認医薬品です。
同社OpalessencePFシリーズには、さらに薬剤濃度の高い15%, 20%, 35%,45%の製品がありますが、現在、日本国内では未承認です。
これらの製品はすでに米国では長年使用されており、ホワイトニング効果とその安全性は確立されています。
当院では、Opaleasence PF 15%, 20% を米国販売業者より個人輸入しています。
薬剤濃度が高いため、知覚過敏症状が一過性に発症することがありますが、使用を停止することで改善します。より高い効果をご希望される患者さんには同意の上、使用をしております。

(未承認医薬品等であることの明示)(入手経路等の明示)(国内の承認医薬品等の有無の明示)(諸外国における安全性等に係る情報の明示)

ホームホワイトニング
治療方法 専用のマウスピースを使用した、患者さんがご自宅で行うホワイトニングシステムです。
Opalescence(ULTRADENT社)を使用しています。
上記注意事項を参照してくだい。
利点 ・天然歯を傷つけることなく、ホワイトニングできます。
・他の方法と比べ、
来院回数が少ないこと。色調のコントロールがよいこと。
施術後の色調が長期間(約1年)以上安定していること。
欠点(注意事項) 安全に薬剤や器具を使用できない場合は行えません。
・妊娠中または授乳中の方・使用材料にアレルギーのある方
・無カタラーぜ症の方・重度の知覚過敏の方
以下の歯に関しては効果がありません。
・歯冠修復してある歯・失活歯・歯の一部の修復した部分
施術に際しての副作用
・薬剤によって知覚過敏が増悪する可能性があります。薬剤の使用を中止することで、改善します。
・エナメル質の構造により、歯の表面に横縞やホワイトスポットが出現する場合があります。
・施術後に詰め物の再治療が必要な場合があります。
費用について

(しおさい歯科クリニックでの治療費用概算です)

上下顎両方 ¥40,000-(税別)
片側だけの場合は、¥20,000-(税別)
(PMTC・ホワイトニングトレー・ホワイトニング薬剤15回分を含みます。追加の薬剤は 1本¥2,500-(税別)です。)